ブルーライン 仲町台駅

横浜市

仲町台駅に立ち寄る機会がありました。横浜市営地下鉄ブルーラインの一駅です。この町は地味な印象かもしれませんが、駅を降りてすぐに広がる街並みは、意外にも整備が行き届いていて、まるでヨーロッパの郊外都市を思わせるような佇まいがあります。計画的に作られた街路や、緑を多く取り入れた景観づくりが印象的で、都市開発の美学を感じさせます。

この駅には2010年代に訪れたことがあり、その時はもっと商業施設や飲食店が多く、人の流れにも活気があった記憶があります。それに比べると、今回の訪問では明らかに店の数が減っており、街全体としての“勢い”には陰りが見えたように感じました。ただ、それが必ずしも悪い方向に進んでいるというわけではなく、むしろ落ち着きがあり、居心地の良さという点では向上している面もあるように思えました。

実際、駅周辺は治安が良く、ゆったりとした時間が流れているような空気感があります。騒がしさが少なく、子どもを連れた家族やペットを散歩させている人々の姿も多く見かけ、生活の場としての魅力は今も十分に残されています。

仲町台駅の特徴として特筆すべきは、「せきれいの道」という遊歩道の存在です。駅を出てすぐの場所から続くこの道は、水路沿いに整備された全長数キロにも及ぶ散策路で、四季折々の風景を楽しみながら歩くことができます。せきれいの道を経由することで、周辺に点在する大型の公園――茅ヶ崎公園や葛が谷公園へと自然と足が伸びていく構造になっており、これがまた街歩きの楽しみを広げてくれます。

こうした遊歩道と公園の連携は、都市部ではなかなか見かけない工夫であり、ウォーキングやジョギング、または静かに物思いにふける場所としても非常に魅力的です。道中にはベンチも多く配置されており、自然の中で読書をしたり、お弁当を広げたりする人の姿も見られます。

もちろん、センター南駅やセンター北駅のように大型ショッピングモールや話題のカフェが集中するような派手さはありません。それでも、仲町台駅にはそれらとはまた違った魅力――緑と水の流れに包まれた生活空間の美しさがあります。都市生活の中で、少し足を伸ばして静けさと景観を味わいたい人にとって、仲町台駅はちょっとした穴場スポットと言えるかもしれません。

電車好きの方や街の成り立ちに興味のある方、またはふらっとどこかを歩きたいという気分の日には、この駅周辺を訪れてみるのも一興です。観光地としての派手さはないけれど、日常のなかにあるちょっとした非日常を味わえる場所、それが仲町台駅だと感じました。

あと余談ですが、仲町台からちょっと裏に行った「東方町」というエリアは一面の畑となっており、田園風景に癒されたい人は一見の価値ありです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました