みなとみらい 穴場 神奈川県庁 キングの塔 屋上 展望台

横浜市中区に佇む神奈川県庁本庁舎、通称「キングの塔」の展望台。仕事の合間にちょいちょい立ち寄るのですが、穏やかな安堵感が感じられる場所です。派手さや目新しさを追求する場所ではなく、まるで知る人ぞ知る、静かなる特等席を見つけたような感覚です。

この展望台の高さは、決して群を抜いているわけではありません。実際、すぐ向かいにある県庁の東庁舎の展望テラスの方が、少し高い位置から同じような景色を望めます。しかし、新しくなければ特段高くもないという「中途半端さ」こそが、この場所の魅力だと気づかされました。

見下ろすような圧倒的な眺望とは異なり、横浜の街並みを、まるで隣にいるかのように身近に感じられるのです。

目の前には、横浜港のきらめき、みなとみらいのビル群、そして歴史ある「クイーンの塔」(横浜税関)や「ジャックの塔」(横浜市開港記念会館)が広がる景色。これらは東庁舎のテラスからも見えますが、ここには独特の落ち着きがあります。

運が悪くない限りここは人が少ないため、海風に吹かれながら、港をみて缶コーヒーを片手に一息つくには最高の場所です。観光客で賑わうスポットとは一線を画し、自分だけの時間をゆっくりと過ごせる贅沢があります。

屋上には、かつて建物の軒を飾っていたという「ライト様式のテラコッタ」がひっそりと展示されています。これは、この歴史ある建物の足跡を感じさせる、ささやかながらも心に響く発見でした。横浜の過去に思いを馳せながら、眼下に広がる現代の風景を眺める。そのコントラストが、より一層この場所の魅力を引き立てているように感じられます。

神奈川県庁本庁舎は、その建築様式自体が国指定の重要文化財であり、建物全体が持つ歴史的な重みが、この展望台の雰囲気にも深く溶け込んでいます。横浜の主要な観光スポットとは異なる、隠れた休息の場所として、あるいは、喧騒から離れて静かに街を眺めたいときに、この屋上展望台は最高の穴場となるでしょう。

もし横浜で、少しだけ足を延ばして心安らぐ場所を探しているなら、この「キングの塔」の屋上展望台を訪れてみてください。きっと、ここでしか味わえない、静かで贅沢な時間を過ごせるはずです。

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