月末リバランスが起きる理由は、主に「資産配分の調整ニーズ」と「機械的な運用ルール」にあります。以下、詳しく解説します。
■ 月末リバランスとは?
月末に多くの機関投資家やファンドが、自ら設定した資産配分比率(アセットアロケーション)を守るために、株式・債券・現金などの比率を調整する売買を行うことを指します。
■ なぜ月末に起きるのか?
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リバランスのタイミングが月末に定められている
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多くの年金基金やファンドでは、「月次」で資産配分を見直すルールが定められている。
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たとえば、株:債券=60:40 の比率が崩れていれば、月末時点で元に戻す売買が必要になる。
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ポートフォリオのパフォーマンス管理
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月末・四半期末は「成績(NAV)」を計測する基準日になるため、リスク管理や見た目の調整も含めてリバランスが集中しやすい。
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指数に連動する資金の再構成
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特に「パッシブ運用ファンド(インデックスファンド)」では、指数の構成銘柄変更やウェイト調整に合わせた売買が月末に集中する。
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■ どういう動きが出るのか?
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株高の月:株が大きく上昇 → 債券などを売って株を買い増し → 月末に「株買い圧力」
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株安の月:株が下落 → 株を売って債券などへ戻す → 月末に「株売り圧力」
つまり、その月の相場の傾きと逆の方向に調整されやすいのが特徴です。
6月30日の相場では後場から急落する銘柄が多発。まさに月末リバランスの影響とみられるでしょう。
■ トレーダーにとっての意味
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短期的な逆張りチャンスになることがある
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月末リバランスの予測は、先物市場やオプション市場にも影響する
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特に月末最終営業日の引けにかけて、不自然な出来高や価格変動が見られることがある
■ まとめ
月末リバランスは、
「機関投資家がルールに基づいて定期的に資産を調整する動き」
であり、市場に一時的な買いや売りの圧力をもたらします。特に大きなトレンドが出た月ほど、調整の規模も大きくなるため、相場の“歪み”として注目されるポイントです。
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