高配当株 売却

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高配当株を売るタイミング:権利落ち日と株価の現実


NISAで人気が高まる高配当株ですが、いざ暴落を経験してさらに株価が元の水準まで中々戻らないとなると、売却を検討したくなる欲が出てきますよね。

高配当株の売却タイミングは、多くの投資家が悩むポイントです。

特にそろそろ配当の日が近い銘柄を抱えていると、「もうちょっと粘れば配当狙いの需要で株価は上がるかも?」という期待を持つ気持ちは理解できます。

実際に、高配当株は権利確定日(配当を受け取るための最終売買日)が近づくと、配当目的で買われる傾向があり、一時的に株価が上昇することは珍しくありません。

これは、配当の権利を得たいと考える投資家が駆け込みで株を買うためです。

しかし、その翌営業日である「権利落ち日」には、株価が配当額分だけ下落するのがセオリーです。

これは、配当の権利が確定したことで、その分の価値が株価から差し引かれるため。

多くの投資家が権利獲得後に売却に回るため、一般的には売り圧力が強まり、株価は下がりやすい傾向にあります。

つまり、「権利落ち日が近ければ上がるかも?」という期待は、権利確定日までの短期間には当てはまる可能性がありますが、配当落ちを乗り越えてさらに上昇し続けるかは別問題です。

配当を受け取った直後に売却しても、その配当金以上に株価が下落してしまい、トータルで損をしてしまう可能性も十分にあります。


短期的な利益を追うことの難しさ


「配当をもらってすぐ売る」という短期的な戦略は、理論上は魅力的ですが、市場はそこまで単純ではありません。

配当落ちによる株価の下落を正確に予測し、その後の回復を見越して売買を繰り返すのは、非常に高度な判断と運が必要になります。

また、市場全体が好調な場合や、企業からサプライズの好材料が出た場合など、特殊な状況下では権利落ち日でも株価が上がることはゼロではありません。

しかし、それはあくまで例外であり、基本的には配当落ちによって株価は下がるものと考えるのが現実的です。

高配当株投資の本来の目的は、多くの場合、企業の安定した収益力から得られる定期的なインカムゲイン(配当金)を享受することです。

短期的な値動きに振り回されるよりも、企業の将来性や配当の持続性を見極め、長期的な視点で保有することの方が、精神的にも安定した投資に繋がりやすいでしょう。

配当株を売却するタイミングは、権利落ち日直後の株価下落だけでなく、企業の業績悪化、減配・無配転落、投資シナリオの崩壊など、様々な要因を複合的に考慮して判断することが重要になります。

 

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