碓氷峠の廃線跡を歩く「ウォーキングイベント」に参加してみると、ただのハイキングでは味わえない面白さがありました。群馬県の横川駅からスタートするルートは、鉄道好きにも歴史好きにも響く内容が詰まっています。
駅に隣接する「碓氷峠鉄道文化むら」は、ちょっと寄り道するだけでも充実した時間が過ごせる場所で、機関車の展示や運転体験までできるそうです。歩き出す前にここで鉄道の歴史に触れておくと、ウォーキング中に見る構造物の見え方も変わってきます。
本格的な登山ではないものの、傾斜のある旧信越本線の線路跡を歩くので、体力に不安がある方はトロッコ列車を使って途中から合流するのもアリ。列車に揺られて進む道中は、今では貴重な「峠越え」の雰囲気をのんびり感じることができます。
休憩ポイントでは「峠の釜めし」が振る舞われることもあり、名物グルメが旅気分を一層盛り上げてくれます。味だけでなく、器のデザインまで当時のままだというから驚きです。
本番のウォーキング区間では、暗いトンネルをヘルメットと懐中電灯で進む場面も。ガイドさんが先導してくれるので安心ですが、非日常のドキドキ感はちょっとした探検のようです。ちなみに、当時の信号機がライトアップされていたりと、細かい演出も抜かりありません。
ルートによっては上り坂が続くため、参加する方向には注意が必要ですが、逆に緩やかな下りになるパターンもあるようです。違う時期にもう一度訪れたくなる構成なのがニクいところです。
鉄道の面影をたどりながら自然と向き合えるこのイベント、観光と学びがバランスよく融合していて、今の時代にフィットした新しい観光の形だと感じました。
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