宇和島運輸フェリーに乗って、四国から別府へ渡る航路には、なんとも言えない情緒があります。船の揺れに身を任せていると、ただの移動手段だったはずの時間が、静かに旅そのものへと変わっていきます。
到着が近づいてくると、海の向こうに湯煙がもくもくと立ち上がっているのが見えてきます。別府の街を包む白い蒸気は、どこか生命の気配を感じさせるような存在で、朝の光に照らされたその景色は、風情として強く印象に残ります。
その光景をみて、九州って本当に温泉の量が豊富な火山地帯なんだなー、という実感が湧いたんですわ。
フェリーの魅力は、時間の流れ方そのものにあります。空港のような慌ただしさがなく、海の上を静かに進んでいく時間には、特有の落ち着きが感じられます。四国の港を離れるときの静けさも印象的ですが、別府の湯煙が遠くに見えてくる瞬間には、旅人としての感覚が研ぎ澄まされていきます。
効率の面では飛行機や高速バスに軍配が上がるかもしれませんが、あの風景とあの時間はフェリーでしか味わえないものです。移動手段に情緒や風情を求める方には、宇和島運輸フェリーは非常に魅力的な選択肢となります。
時間にゆとりのある旅ができる方は、ぜひご利用ください。
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