ロウソク足 損切り

デイトレードでローソク足を使いこなすには、「形」そのものよりも、どの位置でその形が出たか、そしてトレンド全体の中でどんな意味を持つかを読み取ることが大切です。単発のシグナルを信じすぎると、勢いの途中で逆方向に入ってしまうこともあります。

特に損切りをためらうタイプのトレーダーほど、ローソク足の「否定サイン」を見落としがちです。エントリー根拠となった足の高値や安値を次の足が実体で抜けた時点で、すぐにポジションを手仕舞うことが鉄則です。ローソク足は「市場心理の記録」です。想定と逆の方向へエネルギーが流れたことを、最も早く教えてくれるのがその形です。

たとえば、上昇トレンド中に下ヒゲの長いカラカサが出現したら、押し目買いの好機となる場合があります。一方、高値圏で長い上ヒゲをつけたトンカチが出たら、買い勢力が息切れしているサインとして一度利確、もしくは売り目線に切り替える判断ができます。

また、包み線やはらみ線などのパターンは、単体で見るよりも移動平均線やMACDとの組み合わせで精度が上がります。たとえば、上昇トレンド中に短期移動平均線付近で陰線包み線が出た場合、それが単なる調整か本格的な転換かをMACDのクロスで確認すれば、ダマシを減らせます。

さらに、上位時間足のトレンド方向を無視してはなりません。1時間足で下降トレンドの中、5分足で陽線包み線を見て買ってしまうと、すぐに戻り売りに巻き込まれることがあります。上位足のトレンドを基準に、下位足では「流れに沿ったシグナルだけを拾う」という意識が、勝率を安定させる近道です。

結局のところ、ローソク足は「点」ではなく「流れ」で読むものです。一本一本に意味を求めるよりも、全体のリズムを感じ取り、「根拠の崩れ=損切り」「流れの継続=エントリー」と判断すること。そこに、勝ちトレードと負けトレードを分ける明確な違いがあります。

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