根岸森林公園を歩いていると、緑の中にひっそりと姿を見せる旧根岸競馬場の一等馬見所が気になります。2024年の年末から耐震工事のため閉鎖され、今は近づくことさえできない建物ですが、その存在感は遠くからでも十分に伝わってきます。
ゲームのラスボスが中で待ってそうな佇まいなんですよね。
この土地には、1866年に日本で初めての本格的な洋式競馬場が開かれた歴史があります。長い時を経て、1929年にはアメリカ人建築家J.H.モーガンの設計による鉄骨鉄筋コンクリート造の一等馬見所が建ち、当時の華やぎを支えたとされています。その壮大な構造は、震災や戦中の変化を乗り越えた証でもあり、横浜の歴史の一部として今に残されています。
現在は横浜市によって歴史的建造物に認定され、老朽化や耐震性の問題に対応するための工事が進められています。再び扉が開かれるのは2029年の予定です。その日が来れば、長い年月を経て守られた建物の中に、ようやく足を踏み入れることができるようになります。
幼少期からこの公園には何度も通っていますが、一等馬見所の内部に立ち入った経験はないので工事の完了が地味に楽しみです。
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