デイトレードにおいて値動きの大きい銘柄を選ぶことは重要ですが、板の動きが早い銘柄は、値動きが活発である一方で、損切りの判断が一瞬遅れるだけで大きな損失につながってしまうことがあります。そのため、こうした銘柄で取引を行う際は、あらかじめ損切りの仕組みやルールをしっかりと整えておくことが非常に重要です。
まず基本となるのが、逆指値注文の活用です。特にOCO注文を利用すれば、利益確定と損切りの両方を同時に設定できますので、迷いが生じにくくなります。急な値動きにも自動で対応できるため、板の早い銘柄では大変有効です。
また、取引対象としては、出来高が多く、値幅があり、かつ板が厚い貸借銘柄を選ぶのがおすすめです。制度信用で空売りも可能な銘柄であれば、上昇・下落のどちらの局面でも柔軟に対応できます。
チャートや板情報だけでなく、「歩み値(あゆみね)」の確認も欠かせません。歩み値を見れば、どの価格帯でどれだけの約定が発生しているかがわかります。もし自分のポジションと逆方向に大口の売買が連続している場合は、すぐにポジションを手放す判断が求められます。
損切りの基準については、「○円下がったら」ではなく、「○%下がったら」といったパーセンテージで機械的に決めておくのが理想です。たとえば「−1.2%で損切り」と事前にルールを決めておけば、板の状況に振り回されず、冷静に対応できるようになります。
もし裁量で取引を行う場合は、あらかじめ損切りボタンやマウスに手をかけた状態で臨むなど、いつでも実行できる準備を整えておくことが大切です。利確よりも損切りのほうが素早く実行できるよう、日頃から意識づけておくと良いでしょう。
このように、板が速く動く銘柄を扱う際には、事前準備や自動化、明確なルール設定が損切りの成否を左右します。感情に流されてしまうと損失が膨らみやすいため、冷静かつ機械的な判断ができる環境づくりを意識してみてください。
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