バキ ギャグ漫画

週刊少年チャンピョン連載の「バキ」シリーズは
格闘技漫画の最高峰という評価を得ているとともに
面白コラ画像の素材宝庫となる秀逸なギャグ漫画としても評価されています。

当初はこのバキシリーズ、亭主関白で暴力好きな糞親父を極限まで突き詰めた人物である
「範馬勇次郎」とその息子「範馬刃牙」をめぐる家庭問題を描く漫画でありました。

父の暴力と存在感には母親も圧倒されており
バキの母はバキのことをまともに愛することがありません。

両親から愛されない、しかし愛されたい子供という
現代日本においても共感されることの多いシリアスな人間がテーマの本作が
なぜ稀代の面白漫画とまで評価されるようになったのでしょうか。

優秀なバトル系漫画を描ける作者の性として
その場その場のライブ感で物語を組み立てる傾向があります。

アメリカ一国の軍事力と比肩されるほどの強者とされる
バキの父、範馬勇次郎が麻酔銃一発で昏倒するという不自然な描写があるのです。

これを私はディズニーランドパラドックスと呼んでいるのですが
園内にいる時間はミッキーミニーの被り物をしてはしゃいでいてまさに
コンテンツへの没入と多幸感の絶頂にあったものが
京葉線の車内で被り物を取り忘れた我を見て、
ふとなんておかしいことをしていたんだと冷静に自分が見えてきて恥ずかしくなる現象です。

バキシリーズも同じく、
作品を読んでいる時間は興奮・涙・怒りという感情の嵐の中にあって
次の展開へとどんどんページを進めていくのですが
読み終わった後少し冷静になるとシーンの数々に対して
「いや、やっぱあれはありえんだろ!」と多くの読者が後からツッコミをしたはずです。

ディズニーランドパラドックスはまず、
コンテンツ側にのめりこませるだけの魅力がないと発生しないはずの現象のため
バキは読者を引き込む力の大きな漫画作品なのです。

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